配属希望の皆さんへ

物理情報工学科の3年生へ

研究室見学は学科の方針にもとづき実施しています。見学を希望する学生は清水までメールにてご連絡ください。Zoomによるバーチャル実験室ツアーや、教員・先輩との相談も受け付けています。

清水研の情報はこのホームページ内にたくさんありますので参考にしてください。


基礎理工学専攻物理情報専修に入学希望の方へ

大学院修士課程または博士課程から清水研での研究活動を希望する方は、清水までメールにてご連絡ください。


以下は配属研究室選びをしている学部3年生向けの内容です。


研究室で何やるの?

研究テーマは表面科学です。物質の表面はバルクとは異なる構造を取り、ゆえに電子状態も異なります。原子や分子が材料の表面に吸着すると、本来の性質を失ったり、変化したりすることがあります。ナノスケールの材料では、表面/バルク比が大きいため、表面物性をしっかりと理解していないと良い物を作ることはできません。化学反応の活性化エネルギーを下げる鍵となる触媒は、反応の前後で変わらないと言われますが、反応中に表面はとんでもなく変化しているはずです。どのように変化するのか解明できれば、より高効率の触媒ができるかもしれません。このように表面で起こる不思議なことを、単原子・単分子のレベルで理解することが、我々の目指しているところです。

当研究室では、世界で他の誰もやったことのないサイエンスを追求します。市販の装置をマニュアル通り使うのでは最先端の研究成果を出すことはできません。自分でCADを使って部品を設計し、半田付けや接着などの地味な作業で作り上げ、計測・解析プログラムを組んで、初めて可能となるものです。装置のことを良く知った上で実験をすると、なぜそうなるのか、次にどうすべきか、とても良く分かります。ここで 学部3年生までに学んだ電気回路、電子回路、制御工学、プログラミング、オプティクスなどの授業と実験の授業が活かされます。

試料作成における工夫も大事です。似た材料の先行研究論文の通りに作っても、上手くいくとは限りません。試料の特性を理解し、どういうパラメータ制御をすれば良い試料が作れるのか、自分で試行錯誤することが大事です。このような作業では、物性や材料系の授業で学んだ基礎知識が役立ちます。

STMやAFMの測定では、その測定原理と試料の物性をしっかり理解していないと、良いデータは取れません。力学、量子力学、物性物理学、物理化学の知識を総動員して取り組みます。顕微鏡といっても、試料を装置に入れたらその日のうちにデータが出るようなことはありません。一つ一つの過程を丁寧に、根気よく進めることが大事です。

データが出ない日が何日も続いてもめげることなく、研究室のメンバーにアドバイスをもらいながら工夫を重ね、進めていきます。辛抱の末に得られた像は、額縁に入れて飾りたくなるほど嬉しいものです。世界で他に誰も得たことの無いSTM/AFM像や分光データから、何が分かるのか解析をします。その際、実験データのみでは仮説しか立てられないことも多くあります。そのようなときには、共同研究者である理論家と組み、背後に潜む物理や化学を探っていきます。


国内外研究者との交流

研究活動というのは、ひとつのグループで完結することはありません。当研究室でも、国内外の多くの研究者と共同研究を実施しています。最近の共同研究先は以下の通りです。

  • 物質・材料研究機構(NIMS)
  • 理化学研究所(RIKEN)
  • 大阪大学(Osaka University)
  • 大阪府立大学(Osaka Prefecture University)
  • マドリード自治大学, スペイン (Universidad Autonoma de Madrid, Spain)
  • フリッツハーバー研究所, ドイツ(Fritz-Haber Institute, Germany)
  • ローレンスバークレー国立研究所, アメリカ(Lawrence Berkeley National Laboratory, USA)

研究テーマによっては、共同研究先に滞在し実験をする、ディスカッションのために出張する、ということがあります。他研究機関での実験を希望する人には、優先的にそのテーマをやってもらいます。世界トップレベルの研究者が集まる研究現場を学生のうちに経験できることは、今後の人生にきっと役に立つはずです。


研究成果の発信

良い成果がでれば、学会発表、論文発表をしてもらいます。希望としては、修士過程のうちに国内学会の参加はマスト、国際会議でも1回は発表して欲しい。ただし、良い成果が出ていないのに参加することは認めません。会議の場で、世界各国の研究者達と十分議論できるレベルになる必要があります。2019年度は学部4年生も10月の国内学会と12月の国際シンポジウムで各1名ずつポスター発表しました。

プレゼンテーション技法は、研究発表に限らず、社会に出てからも大変役に立つものです。4年生春学期の授業でも学びますが、研究室の活動においても、たくさん練習します。月1の進捗報告、週1のグループミーティング(順番で自分のテーマについて発表)、Journal club(順番で読んだ論文についてのまとめを発表)等を通じ、日本語と英語での発表技術を身につけます。

英語に不安を覚える人も多くいると思います。でも大丈夫!清水は小中高公立育ちで英語が得意でもありませんでしたが、留学を通じてどうやって英語を身につければ良いか、たくさん方法を学びました。注意すべき発音やイントネーション、決まった言い回しや受け答えの方法などを知ることで、海外研究者と意思疎通できるようになります。英語自体が問題なのではなく、外国人の考え方や振る舞い方を知らなかっただけ、ということもよくあります。研究活動の中で、共同研究者や訪問研究者、留学生など、外国人と接する機会も多くあります。少しずつできるようになれば良いのです。勇気をもって話しかけ、自分のこと、研究のことをアピールしましょう! ひとつ大事なポイントは、我々はネイティブのように話せる英語を身に付けるのではなく、Professionalになるために必要な英語を身に付ける、ということです。科学者・技術者として生きるために必要な英語であって、海外旅行や海外で生活をするための英語ではありません。英会話スクールでは学べないことを、研究室の活動で学ぶ、ということを頭の片隅に置いておいて欲しいと思います。